ネタバレあり『The Good Life』クリア後感想
借金返済のためにイギリスの田舎町レイニーウッズの取材をすることになった主人公のナオミ・ヘイワード。その町は世界一幸福な街と呼ばれかつては観光地にもなるほどだった。なぜ世界一幸福な街と呼ばれることになったのか? その謎を解明すれば依頼主のモーニングベル通信が報酬を支払い借金を返済してくれる手筈になっている。
レイニーウッズでは不思議なことがいくつも起こる。
町の住人が満月と新月の出る夜に犬や猫に変身する。
一時的とはいえ住人として招かれた主人公も、物語の進展と共にふたつの動物に変身することになる。だが住民であるはずの市長エリザベスは変身することなく人の姿のままである。
町の秘密を知っているエリザベスはナオミに街では彼らに聞かれると言って別の場所を指定する。
そこには変わり果てた姿があった。池の中で古びた剣で刺されたエリザベス。目撃者のナオミは現場にいた何者かの姿をカメラで捉える。
そうして殺人事件を追いかけることになったナオミはレイニーウッズを駆け回ることになる。
いまにして思えばここまでが物語のピークだった気がする。
ABCのルートを調査して事件の真相に迫っていく予兆を感じさせながらも最終的には解決することなく謎は謎として隠されてしまう。思わせぶりな小話の連続だが大半が解決されずに投げ出される。
なぜ町の住人は犬猫になるのか?
エリザベスはどうして殺されることになったのか? そして最後には復活している理由はなぜなのか?
光速を超えて過去のブラッドウッズ家の城に行ったのかどうか。
光る苔(サイモン)でないなら事件現場の足跡を残したのは誰?
マーサ・ベリーマンが殺害を否定しているがなぜ剣を盗んだのか? 現場で使用したのは誰?
あげればきりがないのでこの程度にしておくがレイニーウッズの謎が解き明かされていくのを楽しみにしていた身からすればがっかりな結末だった。
突然、現代社会を風刺した場面が出てきたり場当たり的でちぐはぐだ。
結局なにをさせられたのかさっぱりわからない。
ストーリー部分を抜きにしてゲームシステムで楽しい要素があったかと考えるがそれもまた微妙なところである。
クエストの解決法は単調でものによっては要求数が多くやってられないと判断して放棄したものもある。
写真を撮って稼ぐというシステムだがグラフィックが綺麗ではない。さらに撮りたいと思わせるロケーションや料理などの物が少ない。結局ファストトラベルで鉱山を廻ってダイアモンドを拾うほうが無難だった。
写真を撮るゲームとしてはいまいちだ。これよりほかのゲームのフォトモードのほうが断然優秀。
犬猫に変身するシステムも正直機能的には犬一択でいい。猫でできることは塀を飛び越えるのと小動物の狩りが楽ってぐらいで慣れたら犬と羊でどうにでもなる。ストーリー的にも猫じゃなければいけない場面は少ない。ラストシーンは犬で攻略するのが前提になっている。
総じて世界観やゲームシステムを生かしきれてない。
このゲームをミステリだと思ってやると肩透かしを食らいます。
登場人物の安っぽい言動に目をつぶってください。
エンディングは寄付するしないの二択だけだと思います。何も解決しないと思います。
くされ地獄だぜ。